二次凍上理論(フローズンフリンジ)って?


 いったいいぜんたいなぜ、凍結の進行とともにアイスレンズは発生・成長・ジャンプを繰り返し、不連続な層状構造を形成するんだろう?
 こういった現象を解き明かそうと言う研究は、1928年のTaberの先駆的な研究に始まり、今までにも数多くの理論やモデルが提唱されています。現在では、実用的には、アイスレンズの成長量や凍上量を予測することもできます。しかし、それではなぜ、アイスレンズが不連続に層をなすのか?といった基本的なかつ重要なメカニズムは、実はまだよくわかっていないのです。
 1980年。Millerが2次凍上理論を提唱しました。彼は、アイスレンズと凍結面の間に間隙氷のネットワーク(フローズンフリンジ)構造を仮定し、凍結の進行とともに、この間隙氷も凍る。するとアイスレンズへの水の供給がストップし、アイスレンズはジャンプする。と考えました。
  *フローズンフリンジとアイスレンズはリジッドにくっついていて、アイスレンズが成長すると、フローズンフリンジも高温側へ移動する。
   このとき、粒子は復氷現象によってフローズンフリンジ内をすり抜ける
  *新しくアイスレンズが出来る位置は土中の応力分布による。土中の応力はχファクターにより有効応力と水圧、氷圧にわけられる
   



 Millerの二次凍上理論は、いまのところアイスレンズのとびとびの生成を説明できる数少ない理論であり、多くの研究者が、一応信じているモデルです。が...

フローズンフリンジって本当にあるの?
χファクターって結局なに?

 完全に全ての説明がついているわけではないのです。